朝は起きたくない。
二度寝しないようにスマホを片手に布団から這い出てる。窓際に敷いたヨガマットの上に横たわり、レースカーテンから差し込む光を、ぼんやり眺める。
『後に光を浴びることで、体内時計がリセットされる』
どの睡眠の本を読んでも必ず書いてある。知識はあっても、習慣化するのは難しい。昨日は珍しく早く寝たのに、どこかすっきりしない。
何とか目を覚まして、キッチンへ。一昨日作ったカレーをレンジで温める。食べながら、スマホでニュースを読む。コロナ禍で、マスクで顔を隠せるので、メイクは手を抜いて済ませる。天気予報を確認して、アルバイト先へ向かう。
4連休明けの職場は慌ただしく、溜まった仕事をひたすら片付ける。単純作業を必死に繰り返す。この仕事をロボットやAIに奪われる日は、遠くないだろうと想像する。
昼休憩。ランチバックには、Amazonで箱買いしたクロワッサン、栄養補助食品、紙パックのコーヒーを詰めている。
お弁当を作るのは面倒、毎朝出勤前にコンビニに立ち寄るのも面倒、そんな惰性から辿りついたランチメニュー。食べ終わるとスマホを取り出して、帰宅したら何をしようかと考える。いつも家に帰ると、だらだらと過ごし、気が付けば0時を過ぎてしまう。
“まっとうな生活”をしなければいけない。そんな気持ちで、Googleカレンダーに帰宅してからの予定を入力した。
大概、予定通りには行かないのだけれど。
午前よりも、午後の方が時間が長く感じる。一人で黙々と作業をして、退勤の時間が来るのを待ちわびる。退勤時間が来ると、一刻も早くタイムカードを押して、職場から立ち去る。1秒でも早く家に帰りたい。
帰宅したら、作り置きのご飯で夕食を済ませる。
帰宅。一昨日作った、なすとひき肉のカレーに、冷凍のほうれん草とチーズをトッピングして食べる。ご飯は、やずやの発芽十六雑穀(https://t.co/JeIgMUtzzs)を混ぜて炊いた。食感がもちもち。
— 池田ラスカル❄️ADHDフリーター (@rasukarurun) September 23, 2020
食後にネットで国勢調査を済ませた。 pic.twitter.com/TNFa6oOznU
ひとしきり休んだ後、スーパーに買い出しへ行く。閉店1時間前のスーパーは、人が少なくて快適だ。散歩がてら、少し遠回りをして帰宅する。
いつも夕食を食べた後に、翌日の食事を用意する。片手鍋いっぱいに、具沢山の味噌汁を作った。冷ました後、鍋ごと冷蔵庫に入れて、2日かけて消費する。
食事は、一度で大量に作る。野菜は味噌汁か鍋料理で消費する。一人暮らしを始めて10年、家事はとにかく煩わしい。
ADHDなりに、少しでも手を抜いて、生活を試行錯誤する。
帰宅してからの時間は、あっという間に過ぎていく。時間に追われるようにお風呂に入り、薬を飲み、アラームをセットする。
「23時までに寝る。8時間しっかり睡眠をとる」
何度も決心しては、失敗を繰り返している。
今日も0時を過ぎて、急かされるような気分で、布団に入る。寝て、起きて、また同じ1日が来る。
“居心地の良い暮らし”を夢見るけど、うまくいかない。1日7時間半のアルバイトを続けながら、一人暮らしをする。そんな生活を取り繕うので精一杯だ。
明日も、生活するために生きていく。