マヂカルラブリーのM-1ネタは高度な「掛け合い漫才」である。
※お笑い好きの素人の戯言、稚拙な考察です。
大好きなマヂカルラブリーがM-1グランプリ2020で優勝し、私にとって最高に気分の良い大会になった。
その後Yahooニュース、SNSなどを見てみる。M-1優勝を伝える記事に「あれは漫才じゃない」「掛け合いが漫才だ」「漫才じゃなくてコント」という批判コメントが多い。
気にしたくない反面、思わず低評価を押してしまう。批判の書き込みに限って「マヂカルラブリー」とご表記してるのも、ちょっと腹が立つ。
とはいえ、私もネットで好き勝手匿名で書き込んできた側の人間なのだけど…。
マヂカルラブリーのネタは「掛け合い漫才」である。
「掛け合い漫才じゃない」と批判があるが、そもそも掛け合いとは「言葉による会話」だけではない。
「掛け合い」の意味を辞書で調べる。
・互いに掛けること。「技の―」「水の―」
・ 要求などについて先方と話し合うこと。交渉。談判。「地主に―に行く」
・ 一つの事を二人以上が交互にすること。また、その演芸。掛け合い話、掛け合い万歳の類。「―で歌う」
・歌舞伎舞踊で、2種以上の異なった流派が伴奏音楽を交互に、あるいは同時に分担演奏すること。
・双方が正面から攻め合うこと。
などの意味がある。
マヂカルラブリーのM-1ネタは、二人の会話は少ない。野田の台詞が少なく、動き・ジェスチャー・擬音のボケが多い。
ボケだけで笑いを取っているなら掛け合いではないが、村上のツッコミが入ることで笑いが起こっている。それがどんどん連鎖していく。これは立派なボケとツッコミの掛け合い漫才である。
むしろ双方が交互に話し、会話でかためた台本よりも難しい。動き回るボケに対して俯瞰でツッコミを入れるネタの方が、タイミングを合わせにくいだろう。
誰でも真似できるネタではなく、高度な技術とコンビネーションが必要になる。
漫コントはなく漫才である意見
漫才かコントかの2種類に分けるなら、間違いなく漫才である。
コントの大会では、演劇のように音響・照明・映像・大道具を使って演出することが認められている。
板付き(開演で幕が開いた時にすでに舞台の上に演者が立っていること)で始めることもできるし、途中で舞台からはけることもできる。終始コントの世界で役に入って演じる。
漫才はコントとは違い「本人」として登場して、スタンドマイクの前で喋る。ネタの途中でコント入りすることはあるが、最低限決められた漫才のルールの中で笑いを取っている。
ファイナリスト10組は5081組の予選を戦い勝ち抜いたファイナリストだ。
漫才じゃないコンビなんて一組もいない。
あの日、日本一面白かったマヂカルラブリー。優勝おめでとう!